[漫画 爆転SHOOTベイブレ-ド 始まりの話]
1999年春 コロコロコミックで新世代ベ-ゴマ(ベイブレ-ド)を使ったホビ-漫画新連載のオファ-をいただきました。
まだ発売前のベイブレ-ド(試作品)を回すうちに格闘技のイメ-ジが浮かび、
子供の頃に観ていたスポ根アニメのテイストを盛り込もうと決めました。
主人公が必殺技を駆使して戦い、ライバル達と切磋琢磨しながら友情を育て成長していく物語です。
[ベイブレ-ドの表現]
ベイブレ-ドの発売が7月、連載開始も同じ時期でした。
コロコロ読者にまだ馴染みが無いであろうベイブレ-ドをどれだけ魅力的にみせるか。
手のひらに収まる程小さなコマに感情移入してもらうにはどうすれば良いのかと考えた末、
ベイブレ-ドのキャラクタ-化を思いつきました。
モチ-フは中国の四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)からもらい、四聖獣の魂が宿る伝説のベイブレ-ドと、
それに選ばれたブレ-ダ-達の物語としました。
この時点で主人公を含む4人の少年達の物語という構図が自然と出来上がっていました。
[3人のキャラクタ-]
漫画企画より先にこちらのゲ-ムボ-イカラ-用ソフト
[次世代ベ-ゴマバトル ベイブレ-ド(HUDSON)]の制作が進められていました。
このゲ-ムに登場する3人のキャラクタ-を原案として漫画に使用する事が当初からの決定事項でした。
(主役のタカオ) 元気で明るい、ベイブレ-ドを愛する少年。使用ベイ「アルティメットドラグ-ン」
(ライバルのカイ) ク-ル、武闘派集団シェルキラ-のリ-ダ-。ベイブレ-ドを憎んでいる。
使用ベイ「フロスティックドランザ-」
(謎の忍者ブレ-ダ- 疾風のジン) 使用ベイ「サイゾ-」
(ジンの画像が無いため、以前に描いたイラストを上げています)
※当時の資料が無いのでキャラ設定はうろ覚えです※
ただ、コロコロでの連載漫画はゲ-ムのコミカライズでは無く、世界観とスト-リ-は完全オリジナル。
3人の性格や生い立ちも自由に作って良いとのことでした。
そこで、ゲ-ム内容に極力影響を受けずに独自の世界観を構築したかったので、
あえてゲ-ムをプレイしませんでした。
主人公が私と同じ「たかお」という名前になってしまったのは、こんな複雑な経緯があったからです。
[漫画キャラクタ-の設定]
まずはタカオとカイを四聖獣に当てはめる事から始めました。
主人公「タカオ」
使用ベイがドラグ-ン(竜騎兵)なので青龍。五行説に照らし合わせ、元素が「木」なので
木ノ宮という名字にしました。
性格はコロコロ主人公らしく、元気で明るい頑張り屋。ベイバトルが大好き。実力は上位レベル。
幼くして母を亡くし、考古学者の父と兄は海外で発掘調査中。父方の祖父と2人暮らし。
ライバル「カイ」
聖獣は朱雀にし、「火」の元素から火渡という名字にしました。
性格はク-ルでバトルの実力は主人公と同レベルかやや上。大企業の御曹司。
ゲ-ム版の「ベイブレ-ドを憎んでいる」という設定がとてもユニ-クだったので、
それを使わせてもらうことにし、その理由を父親との確執ということにしました。
(詳しい設定は原作漫画の通りです)
ベイブレ-ドへの復讐行動の一つとしてベイブレ-ド狩りをさせることのしたので、
手下(シェルキラ-)がいるという設定も使わせてもらいました。
「疾風のジン」
大人のジンを小学生達のライバルとするには無理があると考え、
タカオの兄で影ながら弟の成長を見守るという立場にしました。
「仁」という字なら音読みで(ジン)と読めるので本名を仁(ひとし)としました。
残りの白虎と玄武のブレ-ダ-は登場がずっと後になるので、この段階ではキャラデザインはしていません。
そしてベイブレ-ド解説役として「キョウジュ」、タカオの祖父「龍之介」を新たに設定しました。
「キョウジュ」
タカオのクラスメイトでベイブレ-ド研究家。
大学の研究室にいそうなおじさん教授をイメ-ジしてキャラ設定しました。
「木ノ宮龍之介」
タカオの祖父で一緒に暮らしている。龍心剣の達人。
[スト-リ-]
里見八犬伝のように主人公が様々なライバル達と戦いを続けるうちに1人、そしてまた1人と
伝説のブレ-ダ-と巡り会っていき、4人が揃った時点で物語は大きな転換期を迎える。
こうして1999年 別冊コロコロコミック8月号で特別編、月刊コロコロコミック9月号で新連載が始まりました。
アニメ化はもちろん、キャラクタ-専用ベイの商品化の話さえ無い手探り状態のスタ-トでした。
2018年9月6日